令和3年10月22日に第71回ワクチン分科会副反応検討部会が開催されました。
詳細についてはSika先生が解説してくれています。
Sika先生は以前から心筋炎に注目して副反応を分析しています。
この中で心筋炎の話題になり、10月15日に出したリーフレット
この中で扱われている感染100万人当たり834人が大きすぎるという話が出て、
感染者に30代が含まれている。5月31日の集計で時期も合わない。という話になり、そこで厚労省が新たに9月28日の集計を出してきて年齢層も10~29歳に合わせてきた数字が感染100万人当たり893人に増えてしまった。
厚労省はこの数字に拘って変える気は無いようです。八九三の手口でしょうか。
私自身もこのリーフレットを見て入院症例の実数が4人なのに100万人当たり834人になるのはいくら何でも多すぎると思い検証してみると4個の問題が見つかりました。
- コロナで入院した症例のデータなのに「感染した場合」と誤表記している
- 接種者は10代、20代を分けてるのに入院した症例はまとめて積み上げている
- さらに入院した症例に30代の数字が含まれている
- 接種者の心筋炎人数に医療機関報告分が含まれていない
接種に誘導したい、しなければいけないという思惑でこのような差を作る操作をしたのだと思います。あからさまな差の開きに「そこまでするか!」と思わず笑ってしまいます。厚労省に成り代わりリーフレットは以下のように訂正いたします。
ならば本来の数字で比較してみたらどうなるのか
厚労省が新たに出した9月28日の集計を見てみましょう。
入院した症例ということなので、接種者は発症しないと仮定するとこの3人はすべて非接種者として問題なさそうです。ということはこの3人は非接種者にとってのリスク対象者なので分母は非接種人数とするのが適切だと思います。
でも、ここは厚労省の意向を汲んで「感染した場合」を分母にしてみましょう。日にちが近いところで10月5日の集計がありますので累計陽性者数は分かります。
10~29歳の男性の陽性者は320,429人です。これを分母にして心筋炎3人を計算すると、10~29歳の男性が感染した場合、感染100万人当たり9.36人となりました。
次に接種者に医療機関報告分が含まれていないという最大の問題を解消しましょう。
副反応データベース検索という便利なサイトがありますのでここで検索できます。個人が運営しているサイトです。これからは個人の発信がネットでつながり大きな情報源となるべき時代だと思います。
ファイザーでの10~29歳の男性の医療機関報告分は24人です。
モデルナでの10~29歳の男性の医療機関報告分は53人です。
販売業者報告分は10月15日発表の資料1-1-1がありますので合計すると
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000844075.pdf
ファイザーでの10~29歳の男性の販売業者報告分は27人です。
よって、ファイザーでの10~29歳の男性の心筋炎関連合計は51人です。
モデルナでの10~29歳の男性の販売業者報告分は60人です。
よって、モデルナでの10~29歳の男性の心筋炎関連合計は113人です。
分母となる接種人数も資料1-1-1から計算します。
厚労省が不親切だと思うのはこの集計は人数ではなく「回数」なのです。人数を求めるには表1の回数から表2の回数を引かなければいけません。計算表ソフトを使います。
10月3日時点 | 接種者人数 | ||
10~19歳男性 | 20~29歳男性 | 合計 | |
ファイザー | 1,899,645 | 2,080,222 | 3,979,867 |
モデルナ | 452,748 | 1,834,618 | 2,287,366 |
合計 | 2,352,393 | 3,914,840 | 6,267,233 |
10~29歳の男性のファイザー接種者数は3,979,867人です。
10~29歳の男性のモデルナ接種者数は2,287,366人です。
これを分母として先程の合計症例数を計算すると
10~29歳の男性のファイザー接種者数100万人当たり12.81人です。
10~29歳の男性のモデルナ接種者数100万人当たり49.40人です。
グラフにしてみましょうか。
データの取り方でこんなにも違った結果が出てしまうものなのですね。
私たちは本当に政府、省庁、行政機関の発表を信じてよいのでしょうか。本当は自分のうまれた国を信頼したいし、安心して生活したいというのが願いです。